TEAM

キャンプファイヤー

座ったまま何時間もトレーニングセッションを聴いたり、オリエンテーションマニュアルを調べたり、企業のeラーニングゲームで遊んだりして、新たなポジションのノウハウを学ぶことができます。しかし、社員としての知識の大部分は社会経験を通じて得るのが現実です。キャンプファイヤーは試行錯誤、失敗と成功、競争、外交、チームワークなど、仕事のストーリーを共有するためのフレームと場を提供するものです。私たちが話や物語を伝えるときの癖や傾向を役立てられるようになる、ストーリーテリングのトレーニングともいえます。また、形式張らないくだけたトレーニングゲームとしてでなく、私たちの認識と経験の共通点(多様性)を明らかにするという点においても役立ちます。このセッションは、ストーリーテリングがグループやチームに役立つものであれば、ウォームアップ、アイスブレイク、セッションの深掘り等、どこでも使えるようにアレンジすることができます。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    2〜10名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    フリップチャート、付箋、ペン

進め方

  1. Step 1

    セッションを始める前に、ストーリーテリングセッションのきっかけとなるような 10〜 20 の単語やフレーズをブレインストーミングして付箋に書きます。
    ストーリーテリングのテーマ例:主にポジティブもしくはニュートラルなストーリーに焦点を当てます。パートナーシップ、素晴らしいコラボレーション、仕事の最初の日/週、出張、プロジェクト、クライアント、感動的な経験、成長の機会等。
  2. Step 2

    付箋を全員が見える場所に貼り、付箋やペンを準備します。
    ここは職場の 『キャンプファイヤー』であり、非公式な『社内研修プログラム』として話をしてもらうだけ、と参加者に伝えます。1〜3分かけて貼り出した付箋を眺め、その中で関連する話を1つ思い出してもらいます。

    参加者にとって喋りやすい環境を作るために、ウォーミングアップとしてストーリーテリングをファシリテーターから開始するのも良いでしょう。まずは壁に貼った言葉を1つ取って、近くに貼りなおして物語を話し始めてください。
  3. Step 3

    別の人に次の言葉を選んでもらい、自分の言葉の隣に貼ってもらいます。これが付箋を使った「物語の糸」の始まりです。
  4. Step 4

    最初の人が話を始める前に、その人が選んだ単語を声に出して読んでもらい、他の人は話を注意深く聞きながら、他の仕事に関連した話を思い出すような単語やフレーズを付箋に書き留めます。もし言葉が思いつかない場合は、すでに貼り出されている付箋の中から選んでも構いません。
  5. Step 5

    最初の人が話を終えたら、2番目の人に自分の付箋を貼るか新しく付箋をとってもらいます。2番目の人は言葉を声に出して読み上げ、それから話を共有してもらいます。
  6. Step 6

    この作業を繰り返し、会話のアーカイブとなるような、蛇のような「物語の糸」を作成します。セッションをいつ終了するかは、ベストなタイミングを判断してください。終了する前に、追加したいインサイト、学び、最終的な結論があるかどうかを参加者に尋ねます。
  7. Step 7

    戦略
    会議のリーダーとしてのあなたの役割は、仕事に関連した話を共有するよう促すことです。話の糸が切れたと感じたら、貼り出してある言葉を参照してもらうか、誰かに「ワイルドカード」の話を投げかけてもらいましょう。他人のストーリーをきっかけに、自分自身の仕事関連のストーリーを共有することもできます。
    参加者がカタルシスを感じる必要性があると思った場合、あまりポジティブでない話題や中立的な話題に流れても構いません。しかし、どのような流れになっても対処できるよう準備し、ミーティングを険悪な雰囲気で終わらせないようにしましょう。

    知識や知恵のキャンプファイヤーがシンプルでありながら、強力なツールである理由は、知識やナレッジの共有がカジュアルな場やくだけた状況で行われている傾向を活用するからです。またチーム間の共通点を示し、多様性も明らかにしていくなど、会話の力を利用しています。人間は物語を語りたがるものです。セッションが終わった後も、参加者は経験を共有することに余念がないでしょう。

    このゲームは、Roger Schank と Gary Saul Morson の Tell Me a Story: Narrative and Intelligence (Rethinking Theory) に影響を受けています。

*出典 Gamestorming。このゲームはTell Me a Storyに影響を受けています。Narrative and Intelligence (Rethinking Theory),by Roger Schank and Gary Saul Morson. 日本語訳:Hyper Island Japan Team