INNOVATION

マッシュアップ

参加者が様々な要素を組み合わせて革新的なコンセプトを思いつく、共同アイデア創発の方法です。最初のステップで、テクノロジーや人々のニーズ、既存サービスなど、様々な分野についてブレインストーミングを行います。次のステップでは、これらの分野の要素を素早く組み合わせて、新しく楽しく革新的なコンセプトを作ります。マッシュアップによって革新的なアイデアを素早く簡単に創発できます。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    付箋 、 ペン、 A4の紙、 フリップチャート、 オンラインの場合: デジタルホワイトボード、バーチャル付箋、ブレイクアウトルームを使用する

進め方

  1. Step 1

    ブレインストーミング

    グループ全体に次の分野についてブレインストーミングをしてもらいます。
    1. テクノロジー(例: モバイルフォン、3D プリンティング、GPS)
    2. 人々のニーズ(例: 愛、交通手段、朝の目覚め)
    3. 既存のサービス(例: Google 翻訳、Spotify、Candy Crush)
    各領域について3分間ブレインストーミングを行います。 参加者に付箋(またはバーチャル付箋)を配布し、1枚につき1つのアイデアを書いてもらいます。
    ブレインストーミングのペースを速め、かつアクティブにします。

    それぞれのアイデアを声に出しながら壁に貼り付けてもらいます。各エリアごとに1つずつ、合計3つの付箋のグループが壁(またはバーチャルホワイトボード)にできるようにします。
    多ければ多いほど良いです!

    提供のヒント:
    3つの領域は、様々な文脈に適応させる事ができます。 たとえば、データソース(例: 健康記録、地下鉄の時刻表、国勢調査データ)や、世界的な課題(例: 気候変動、所得格差、パンデミック)等。これらを追加して、演習に別の側面を与える事も可能です。
  2. Step 2

    マッシュアップ
    参加者を3~5人のグループに分けます。12分間で、できるだけ多くのマッシュアップのコンセプトを考え出す事を説明してください。 マッシュアップのコンセプトでは、壁に貼り出されている要素のうち2つ以上を組み合わせて新しいコンセプトを作ります。
    新しく作ったコンセプトごとにキャッチーな名前を付け、それをA4の紙に記録します。紙には、新しいコンセプトを作る際に組み合わせた要素(例: iPad + 洗濯すること(Doing Laundry)+ Paypal)とコンセプトの名前(例: Launderfy)を書きましょう。

    オンラインで実施する場合
    グループごとにブレイクアウトルームを作り、紙またはバーチャルでコンセプト名を記録します。 数分ごとにブレイクアウトルームに残り時間を伝えるメッセージを送信し、速いペースで作業が行われている雰囲気を強調しましょう。

    提供のヒント:
    対面で実施する際のファシリテーターの注意事項
    この12分間は明るい音楽をかけ、参加者が立ち上がって活動的に、素早く作業できるように促します。 残り時間を数分ごとに伝え、ハイペースで作業するよう場のエネルギーを高めていきます。
  3. Step 3

    プレゼンテーション
    時間になったら各グループにコンセプトを発表してもらいます。全てのコンセプトを壁に貼り、新しく作られたコンセプトの量を視覚的に表します。

    オンラインで実施する場合
    新しく作られた全てのコンセプトを1つの場所に配置し、コンセプトの量を表します。

    提供のヒント:
    ここでは、短時間で生み出されたアイデアの量を強調しましょう。
  4. Step 4

    (オプション) 開発
    お気に入りのコンセプトまたは最も実現可能なコンセプトを選択してもらい、さらに開発してもらいます。コンセプトや機能、ビジネスモデルの詳細を30分間で調査します。 各チームは1枚のフリップチャートを使ってコンセプトを視覚化し、他のグループに発表します。

  5. Step 5

      参加者に次のような質問について考えてもらい、経験を発表してもらいます。
    1. このようなクリエイティブワークをするのはどんな気分でしたか?
    2. 何が簡単でしたか? 何が大変でしたか?
    3. どう感じましたか? あなたはどのように反応し、行動しましたか?
    4. あなた自身についてどのようなインサイトや学びがありますか?
    5. アイデア開発に関してどのようなインサイトや学びがありますか?
    6. 学んだ事を今後どのように応用できますか?

*ワークショップのコンセプト:Mikael Ahlström テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

拡散曲線の振り返り

拡散曲線はイノベーション普及理論に基づいた、振り返りと議論を行うアクティビティです。ここでは基本原則を使用して、参加者に「自分は人生のどの分野でイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード(最も保守的)なのか?」と質問をして、考えてもらいます。所属する組織や企業ごとに観点を合わせるように展開する事も可能です。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    10〜40名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    テープ

進め方

  1. Step 1

    床にテープを貼り、拡散曲線(https://en.wikipedia.org/wiki/Diffusion_of_innovations)をできるだけ大きく再現します。曲線内に、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの印をつけます。

  2. Step 2

    まず、イノベーション普及理論の拡散曲線について簡単に説明します。(下記を参照) スライドやホワイトボードなどに曲線を書き、各タイプについて確認します。ここでの説明は、詳細である必要はありません。あくまでも振り返るためのツールである事を参加者に伝えましょう。

    イノベーション理論の拡散曲線について
    イノベーションの拡散は、新しいアイデアや技術がどのように、なぜ、どのくらいの速度で文化を通じて広まるかを表す理論です。拡散とは、あるイノベーションが、社会システムを構成するチャネル間を通じ、時間をかけて伝達されるプロセスです。イノベーションには、クリティカルマスに達するポイントがあります。イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードに分類されます。(Wikipedia)

  3. Step 3

      参加者に、次の質問について数分間考えてもらいます。
    1. 仕事/生活のどの分野でイノベーターであるか?
    2. 仕事/生活のどの領域で、アーリー アダプターであるか?またはだったか?
    3. 仕事/生活のどの分野で、アーリーマジョリティに属しているか?または属していたか?
    4. 仕事/生活のどの分野で、レイトマジョリティに属しているか?または属していたか?
    5. 仕事/生活のどの分野で、ラガードであるか?またはだったか?
  4. Step 4

    数分間考えた後、参加者を2人組にし、一緒に拡散曲線を歩いてもらいます。好きな順番で曲線を進む事ができますが、各タイプを通過する必要があります。各タイプに関して、お互いの答えを簡単に共有しあいます。
  5. Step 5

    各ペアが拡散曲線の全カテゴリーを歩き終えたら、グループ全体を呼び戻し、、各参加者が自発的に気づきを共有したり、振り返りを行う事を促します。
  6. Step 6

      オプション
      下記の追加質問を利用し、より多くの種類の学びを刺激しましょう。
    1. 個人では、拡散曲線の中でどこに位置付けられるか?
    2. プロとして、拡散曲線の中でどこに自分を配置するか?
    3. 自分自身の観点から、所属している会社/組織は、拡散曲線のどこに位置付けられるだろうか?
    4. 自分の会社/組織は、拡散曲線のどこの位置にあると思っているだろうか?
    5. 自分の会社は、拡散曲線のどこに位置する事が理想的か?

    該当するタイプの上に立ち、各質問に回答してもらうと効果的です。参加者の数人に対して、質問ごとに選んだ理由を説明してもらい、自分の考えを簡単に振り返ってもらいます。

*テキスト作成:Hyper Island 参考:Diffusion of innovations(https://www.wikiwand.com/en/Diffusion_of_innovations)、Diffusion of Innovations(https://books.google.se/books?id=zw0-AAAAIAAJ&redir_esc=y), Everett M. Rogers 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

立場を明確に

このメソッドは、アイデアや疑問をチームで一緒に考える際に幅広く使える、実用的でダイナミックな方法です。アンケートのようなもので、参加者は質問された事への納得度や理解度を、設定した架空の「線」に立つ位置で表現します。そうする事で振り返りや議論の起点となり、チームをまとめる事ができます。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    なし

進め方

  1. Step 1

    本セッションの目的と焦点を決めます。目的はチームからの意見の有無に関わらず決める事ができます。
    トピックに関わる質問を最低5つ書き出します。参加者は質問に対する答えや発言に対する同意度に応じて、線の上に立ちます。
      例:チームがどれだけ上手く連携しているかに焦点を当てた場合。
    1. 「私たちはどれだけコミュニケーションをとっていますか?0は全くコミュニケーションを取っていない状態。 10はオープンで明確なコミュニケーションが取れている状態。」
    2. 「チーム内における自分の役割についてどう思いますか?0は貢献できていない。10は活躍できている。」
    3. 「我々は質の高い仕事をしていますか? 0は全くしていない。10は完全にしている。」
    提供のヒント:
    このセッションは、チームビルディングの際に役立ちますが、他にも多くの目的に適応させる事ができます。例えば、価値観の探求やデジタルツールへの自信、セッションのフィードバック、論争の的となる問題の議論等です。
  2. Step 2

    架空の線に沿って全員が立てるように、部屋をセッティングします。部屋の片側を「0」反対側を「10」として、セッションの目的を参加者に説明します。
  3. Step 3

    最初に質問をし、全員が並ぶまで数秒待ちます。
    なぜそこに身を置いたのか?それについてどのように感じていますか?変えたほうがいいことがありますか?など、質問に対する答えを近くの誰かと話し合ってもらいます。
  4. Step 4

    ここで、様々な角度の意見をグループ全体に聞く時間をとります。 時間がある限り多くの意見を聞く事が理想ですが、少なくとも両極端の意見から1つずつ、中間から1つ選びましょう。

    このステップで議論に発展すれば、素晴らしいです。このセッションの目的は、グループが話すべき事を話せるようにする事なので、できる限り時間をとってください。

  5. Step 5

    用意した質問を全て終わらせるか、時間切れになるまでStep 3と4を繰り返します。

    このセッションを終える前に、ここで明らかになった重要なアクションを定義し、書き出すように指示します。そして、各アクションに担当者と期限を割り当てましょう。

*出典元不明 テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

今後のトレンド

このツールは、数名または大人数のグループで、今後数年間の主要な変革的トレンドを特定し、その影響を調査し、ビジネスチャンスを生み出すためにどのように対応できるかを検討するのに役立ちます。ワークショップが終わるまでに、参加者は最も関連性の高いトレンドリストを作成し、最も重要な3つのトレンドを詳しく説明し、それに対応するために自分たちの組織がどのように行動できるかについてのアイデアをまとめます。オンラインでも対面でも実施可能です。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    デジタルホワイトボードまたはフリップチャート、ペン、マスキングテープ、付箋、印刷した腐った魚、印刷した将来のトレンドのテンプレート

進め方

  1. Step 1

    ワークショップの目的を伝えましょう。近い将来の変革的なトレンドについて議論し、そのトレンドに対応するために自分たちの組織がどのように行動できるかを探求する旨を説明します。 まず、20分間で『腐った魚(https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/stinky-fish/)』のセッションを行い、将来とその課題に関する心配や懸念をグループ内で安全に共有できるようにサポートします。ここでの目標は、将来についての不確実性を正常化し、それについて話すための場を持つ事です。

    『腐った魚』を実施する際の指示は次のようになります。
    「デジタルの未来と、それが個人的または職業的にどのような影響を与えるかについて、1つの懸念や恐れを共有してください。」

  2. Step 2

    次に、今後3年間で自分たちの業界を変える最も関連性の高いトレンドについて、グループでマップを作成します。「トレンド」とは単に一過性のファッション的流行ではなく、強く永続的な結果をもたらす社会の原動力である事を説明しましょう。

    このStepは、5分間×4ラウンド行います。各ラウンドでは、ビジネス、ユーザー行動、人材需要、テクノロジーなど異なるカテゴリーに焦点を当てます。各カテゴリーに関連するトレンドをできるだけ多くブレーンストーミングしましょう。

    対面で行う場合
    参加者に付箋とペンを配布し、付箋1枚につき1つのトレンドを書くように指示します。壁などに4つのカテゴリーを貼り出せる場所を用意し、書き終えたら内容を読み上げながら貼り付けてください。

    オンラインで行う場合
    Miroなどのデジタルホワイトボードを使い、作業ボード、付箋などを用意して作業しましょう。

    必要であれば、各カテゴリーについて例を挙げ、グループを盛り上げる手助けをしてください。(『Changes of Tomorrow(https://changes-of-tomorrow.hyperisland.com/)』から引用しても良いですし、自分で考えても構いません。)

    各カテゴリーにつき5分間、合計20分で行います。

  3. Step 3

    4ラウンドを終えたら参加者を祝福しましょう。
    次のステップでは、最も大きな影響を与えるトレンドの優先順位を素早く決定します。所要時間は5分程度です。

    対面で行う場合
    投票主義(https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/dotmocracy/)というツールを使用してください。これは、大人数で迅速に優先順位付けを行う際に最適なツールです。ペンを使い、参加者に8個の点(票)を渡し、張り出したトレンドに分配します。参加者は、「今後3年間で自分たちのビジネスに最も大きな影響を与えるか」を基準に投票します。

    オンラインで行う場合
    オンライン上で参加者に8個の点(票)を渡し、張り出したトレンドに分配します。参加者は、「今後3年間で自分たちのビジネスに最も大きな影響を与えるか」を基準に投票します。

    偏りを避けるため、まず各参加者が頭の中で選択する時間を設けてから同時に投票してもらいます。

    投票を終えたら、次のStepで行う調査のために、得票数上位3つのトレンドを決定します。

  4. Step 4

    このStepの目的は、グループで最も重要なトレンドを探り、それがもたらすビジネスチャンスについてアイデアを生み出す事です。

    グループを2~4人の3つのグループに分けます。 各グループはそれぞれ1 つのトレンドを担当し、機会、結果、潜在的なリスクを探り、次の事を考えてもらいます。
    このトレンドのチャンスを十分に生かした3年後の自社はどうなっているのだろうか?そのためには今日からどのようなステップを踏んでいけば良いのだろうか?

    各グループにトレンドのテンプレート(https://hij-toolbox.tds-g.biz/wp-content/uploads/FutureWorkshop–Template-A3.pdf)を配付し、15~20分で完成させます。作業を始める前に、これは探索的なエクササイズである事を参加者に伝えます。
    参加者は、自分たちが知っている事や感じている事をもとに作業し、素早くテンプレートを完成させます。

    テンプレートが完成したら、グループごとに軽く発表し合います。

    オンラインで行う場合
    ブレイクアウトルームを使用し、各グループのトレンドテンプレートをデジタルボードに掲示しましょう。

  5. Step 5

    短いチェックアウトを行い、セッションを終了します。

    「今日ここで行った事」について簡単に話します。そして各参加者に、今日1日で得た、未来に対して前向きな気持ちになれるような気づきを1つ、「チェックアウト」してもらいましょう。

    次のステップをグループに説明します。
    トレンドやインサイトをどうしていくか?
    個人として、または企業としてどのように取り組んでいくか?

*テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

意図せぬ結果

このセッションでは、テクノロジーが起こした意図しない結果を検証し、それをもとに新しいビジネスチャンスの可能性を考えるものです。新しいテクノロジーに対する一般的な理解を超えて、参加者が予期せぬ可能性を発見し、それをどのように活用できるかという事に挑戦します。例えば、Instagramはスマートフォン用のバーチャルなフォトアルバムとして誕生しましたが、他の人との繋がりを作る機能も持っています。他者との縁を繋ぎ、人間の「人と繋がりたい」という根源的な欲求を満たし、癒しを与えたり、慰めになったり、人に深い影響を与える可能性も持っています。このセッションは対面形式、オンライン形式どちらでも実施可能です。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    2〜40名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    付箋、ペン、バーチャルホワイトボード(Miro等)

進め方

  1. Step 1

    参加者を3〜5人のグループに分けます。(オンラインの場合はブレイクアウトルームを用意する)
    “What is the nature of grieving in the Internet age?:インターネット時代の悲嘆の本質とは?(https://www.hyperisland.com/?page_id=3789)” の記事内にあるハムスターの物語を通して、セッションの目的を紹介しましょう。参加者自身が記事を読む事も可能です。

    新しいビジネスのアイデアを生み出すための出発点として、「意図せざる結果」という考え方をベースにする事を説明します。

    提供のヒント:
    このセッションは、単純にアイデア出しの方法を練習するために使う事も可能ですし、成果を重視して、具体的な新しいアイデアを得る事を目的にする事もできます。グループや状況に応じて調整してください。
  2. Step 2

    グループに5分与え、Netflix、Instagram、Google Mapsなど、人気のあるテクノロジーやビジネスを5つ以上リストアップしてもらいます。より難易度を上げたい場合、参加者たちの層以外で広く使われているテクノロジーだけをリストアップしてもらいましょう。付箋にアイデアを書き留めましょう。(1枚につき1つ)
  3. Step 3

    次に、ブレインストーミングをします。それぞれのテクノロジーやビジネスの意図せざる結果を少なくとも3つ考えてもらいましょう。例えば、Netflixは「簡単で便利なストリーミングサービス」であったはずなのに、「動画を見続けてしまい、時間を無駄使いしてしまう習慣を引き起こしてしまった」等。

    参加者には創造的に考えるよう促し、正しい答えがない事を強調しましょう。アイデアを付箋にまとめてもらいます。(1枚につき、1つのアイデア)10分後、各グループにそれぞれのアイデアを発表してもらいます。

    提供のヒント:
    各グループで考えるアイデアの数は、付箋の数や人数、時間に応じて調整する事ができます。
  4. Step 4

    次に、予期せぬ結果について新しい可能性のあるビジネスモデルを各チーム提案します。例えば、Netflixはユーザーが毎日1エピソードだけ見るなら無料で視聴ができ、まとめて視聴するには割増料金を支払うという新しいビジネスモデルを考案する事ができる等。

    新しいアイデアを考えるとき、悪いアイデアというものはありません。新しいビジネスモデルは現在よりも悪く見えるかもしれません。しかしそれで良いのです。現在のビジネスモデルがある日突然、競合他社によって破壊され、新しいアイデアが意味をなすかもしれないからです。

    12分後グループに集まってもらい、最も興味深い新ビジネスモデルをグループ内で共有してもらいます。

    提供のヒント:
    新しいビジネスモデルの数は、意図しない結果の数やグループのサイズ、時間に応じて調整する事ができます。
  5. Step 5

    最後に、最も予想外かつ、最も実現可能な新しいビジネスモデルについてその理由を考えてもらいましょう。アイデア出しや新しいビジネスモデルについて、どのような事が強調されたかを振り返る事もできます。

*ツール開発・執筆 Tom Klinkowstein 参照:“What is the nature of grieving in the Internet age?” 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

ペルソナの1日

このエクササイズは、製品やサービスのイノベーションにおけるユーザー中心のアプローチをサポートします。チームで架空のユーザー(ペルソナ)を作り、その人の平均的な1日を描くことで、その人が経験する課題を明らかにします。そして、その課題を解決するための新しい製品やサービスをブレインストーミングします。最後に、最も優れたアイデアのスケッチやプロトタイプを素早く開発し、フィードバックをもらいます。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜10名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    付箋、ペンまたはマーカー、フリップチャート、紙

進め方

  1. Step 1

    各チームに以下の目的を説明します。
    「私たちは、ユーザーの平均的な1日を考えることによって、その人のための製品やサービスをデザインしようと思っています。」
    各チームにフリップチャートを数枚渡します。紙を縦にし、用紙の中央に時間軸を表す線「タイムライン」を横に一本描きます。線を描いたら片方の端に07:00、もう片方に24:00の印をつけてもらいます。

    提供のヒント:
    このセッションは、実際のクライアントや架空クライアントを想定したり、設定を変化させることができます。チームはクライアント組織となり、「ペルソナZの課題YをブランドXはどのように解決するか?」と問いかけます。時間に余裕がある場合は、チームでアイデアを反復することも可能です。他のグループからのフィードバックに従って改善点を挙げてもらい、再度発表します。
  2. Step 2

    各チームにペルソナを与えるか、紙の片隅にペルソナを作成して記載するように伝えます。
    名前、場所、仕事、家族、趣味など、ペルソナがどのような人なのかを考えます。この作業は5~10分以内を目安に行いましょう。
  3. Step 3

    次に、5〜10分間でタイムラインの上にある空白にペルソナの典型的な1日を描いてもらいます。付箋または紙に直接書き込むのも良いです。
    その日の出来事をできるだけ多く盛り込み、素早く、創造的に作業するよう促しましょう。
  4. Step 4

    各チームはタイムラインの下にある空白を使い、ペルソナのデジタル・タッチポイントをブレインストーミングします。
    1日を通して、どのような技術やアプリケーションに触れているのか?どこで、なぜ、それらを使っているのか?5〜10分で考えます。
  5. Step 5

    次に、1日のうちで最も苦労するポイントや課題を特定します。
    そのペルソナは何が難しいと感じているのか?何をするのに時間がかかるのか?どこにフラストレーションを感じているのか?
    できるだけ多くのペインポイントを洗い出し、その中から1番だと思われるものを、いくつか丸で囲みます。5〜10分で行いましょう。
  6. Step 6

    次に、ペインを軽減することでペルソナの人生にどのような付加価値を与えることができるかを探ります。どのようにすれば、効率が上がり幸福感を高めることができるか?ペインポイントを無くすために、どのような製品やサービスを作ることができるか?
    10~15分程度でアイデアを出してもらいましょう。
  7. Step 7

    さらに発展させるために製品やサービスのアイデアを1つ選んでもらいます。
    新しいコンセプトには名前をつけ、それが解決する問題や、どのように機能するかを考えます。コンセプトはフリップチャートに視覚的に表現し、説明できるようにしてもらいます。20分程度で行いましょう。
  8. Step 8

    全チーム、アイデアの発表をします。時間がある場合は、発表の後に簡単なフィードバックを行いましょう。
  9. Step 9

    セッションの最後に短いリフレクションを行い、学びを引き出しましょう。

*テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

ワールド・カフェ

ワールド・カフェは、ファニータ・ブラウンが考案したシンプルかつパワフルな手法です。参加者にとって関連性のある重要なトピックを中心に、有意義な会話を可能にします。ファシリテーターはカフェスタイルの空間を作り、簡単なガイドラインを示します。参加者は、会話に関連するトピックや質問を自分たちで考え、探っていきます。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    10〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    フリップチャート、ペン

進め方

  1. Step 1

    セッティング
    カフェをイメージしたカジュアルで居心地の良い環境を作ります(例:小さな丸テーブルに紙を敷き、カラーペンや植物、花を置く。オプションで発言者が使用するマイクを用意するなど)。テーブルには4〜6脚の椅子を用意します。
  2. Step 2

    はじめの挨拶と紹介
    まず、はじめの挨拶とワールド・カフェの紹介をします。背景となる文脈を説明した後、ガイドラインを共有し、参加者を安心させましょう。詳しい背景や参加者のガイドラインについては、ワールド・カフェのウェブサイトを参照してください。
  3. Step 3

    質問
    各ラウンドでは、そのセッションの背景や目的に合わせた質問が用意されています。 1つの質問を全テーブルで議論したり、各テーブル毎に異なる質問を議論する事もできます。また、同じ質問を複数ラウンド使用する事も、質問を重ねる事で会話の焦点や方向性を定める事もできます。

    質問は参加者自身が設定し、セッションが始まる前に作成します。
    説得力があり、オープンでエネルギーに満ちていて、その場の状況に合った内容でなければなりません。
  4. Step 4

    小グループでのラウンド
    ここでは、各テーブルで20分程度の会話ラウンドを3回以上行います。ラウンド中、参加者は、質問に焦点をあて自由な方法で探求します。 指定された「テーブルホスト」は、誘導せずに会話の流れをサポートします。「記録係」は言葉や絵を使って、大きな紙に会話の内容を記録しましょう。

    20分ラウンドが終了するごとに、参加者は新しいテーブルに移動します。各テーブルには、次のラウンドの「テーブルホスト」として1人が残ります。
    次のグループを歓迎し、前のラウンドで何が起こったかを簡単に説明しましょう。
  5. Step 5

    結果発表
    小グループでのラウンド終了後(必要に応じてラウンドの合間でも可)、会話から得られたインサイトやその他の結果を全体に共有しましょう。

    その他のリソースやガイドラインについては、ワールドカフェのウェブサイト(http://www.theworldcafe.com/)をご覧ください。

*参照:World Café Community Foundation(http://www.theworldcafe.com/) 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

90分プロトタイプ

90分以内にシンプルでクリック可能なアプリのプロトタイプ制作をチームで競う、短くて簡単なプロトタイピング・ワークショップです。計画も実行も簡単で、インサイトをいかに素早くテスト可能なプロトタイプに変えられるかを体験します。プロトタイピングの考え方をチームに取り入れる事を促す為にこのワークショップを活用しましょう。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    紙、ペン、スマートフォン、プロジェクター

進め方

  1. Step 1

    始めの挨拶&イントロダクション(5分)
    ワークショップ開催の前日までに、POPアプリ(https://marvelapp.com/pop/)をダウンロードしてセットアップするように依頼しましょう。 参加者はインターフェースに慣れる必要がありますが、5〜10分以上費やす必要はありません。

    参加者に最初の挨拶をし、これから90分以内にプレゼンテーションやテストに活用できるレベルの、クリックできるアプリのプロトタイプを制作する事を説明します。

    このワークショップはスピードが速く、実践的である事を強調します。完璧を目指すのではなく、楽しむ事を伝えてください。

    2〜4名のグループに分けます。 各グループには、アプリをダウンロード済みの人が最低1人いるようにしましょう。
  2. Step 2

    ニーズの特定(10分)
    最初のステップは、新しいデジタルサービスによって解決できるユーザーのニーズは何か?や、ユーザーが求めている価値と、製品が提供している価値のズレが何であるか?を特定する事を説明します。
      このステップは、様々な方法でアプローチできます。
      例えば、次のようなものです。
    1. 顧客が表す最も一般的なニーズ/価値観のギャップは何か?
    2. ターゲットグループXに共通するニーズ/価値観のギャップは何か?
    3. 現在の日常生活における最大のニーズ/価値観のギャップは何か?
    このワークショップの前に、User Day-parting(https://toolbox.hyperisland.com/user-day-parting)や高速リサーチ(https://toolbox2.tds-g.biz/tool/rapid-research/)などの方法を使用して、関連するニーズを生み出す事もできます。 重要なのは、各グループが使用者のニーズや提供価値のギャップを特定する事です。
  3. Step 3

    アイディエーション(15分)
    特定されたニーズ/価値観のギャップに基づき、15分かけてデジタルサービスのコンセプトを作ります。各グループに、紙とペンを使ってメモやスケッチをするように促しましょう。グループが創造性を発揮し、ありきたりなアイデアを超えていけるように推進しましょう。

    サービスのアイデアが全てアプリに盛り込まれ、アプリで完結する必要はありません。
    しかし、アプリはサービスの一構成要素でなければならない事を説明してください。

    15分後、各グループはサービスのコンセプトを大まかに定義します。
  4. Step 4

    スケッチ(15分)
    次のステップでは、自分のコンセプトに合ったシンプルなクリックできるアプリのプロトタイプを作る事を説明します。

    各グループにiPhoneの画面が印刷されたテンプレート(https://marvelapp.com/sketchpad/)を配布します。少なくとも4つのフレームを作成するようにしましょう。

    参加者は、潜在的なユーザーに見せてテストするためのプロトタイプを作っている事を意識する必要があります。サービスの価値を示す主要な機能や流れを試作するように促しましょう。
  5. Step 5

    制作(15分)
    POPアプリ上にスケッチをアップロードし、クリックできるプロトタイプを制作します。
    POPアプリの基本的な機能を説明します。スケッチをアップロードして、要素をクリックできるようにし、画面遷移の流れを作る事です。

    この作業を行っている間、各グループの見回りをし、アプリの使い方について詳しい説明が必要なグループがあればサポートします。同時に、アプリに精通した参加者が苦労している人をサポートするなど、参加者同士でサポートし合うように促しましょう。

    準備ができたら「共有」機能を使ってプロトタイプを共有してもらい、それらを集めてプロジェクターに映し出します。(POPアプリでは、リンク、メール、Facebook、Twitter、SMSでの共有が可能です。)

    プロジェクターに接続されたPCを使い、集めたリンクを開いて投影できるようにします。
  6. Step 6

      プレゼンテーション(15分)
      各グループごとに2分間のプレゼンテーションを行います。プレゼンテーションでは以下の点を含める必要があります。
    1. ニーズ/価値観のギャップ
    2. 全体的なサービスコンセプト(簡単に)
    3. アプリの流れ(クリックスループロトタイプ)
    時間に余裕があれば、プレゼン後に他のグループにアプリコンセプトをさらに発展させる提案をしてもらいましょう。
  7. Step 7

      まとめ(15分)
      全てのプレゼンテーションが終了したら、次の質問について5分間個別にリフレクションを行いましょう。
    1. 全体的にどうでしたか?
    2. 何が難しかったですか?何に助けられましたか?
    3. この経験から得られた有益なインサイトは何でしょうか?
    4. この経験から学んだ事を、日々の仕事にどのように活かす事ができますか?
    個人でのリフレクション後、大きなグループで振り返りを共有し、セッションを終えます。

*POP App – Prototyping On Paper (https://marvelapp.com/pop/) 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

How-Now-Wowマトリクス

このツールは創造的なアイデア発生の段階において、さらに発展させるアイデアを選択する場合に役立ちます。 人は新しいアイデアを生み出そうとするとき、発散の段階ではブレーンストーミングや既成概念にとらわれない発想をする事が多いです。しかし収束の段階になると、自分たちに最も身近なアイデアを選んでしまう事があります。 これは、「クリエイティブ・パラドックス」または「クレドックス」と呼ばれています。
How-Now-Wowマトリクスは、このクレドックスを解消するためのアイデア選択ツールで、各アイデアを2つのパラメータで評価するものです。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    10〜40名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    フリップチャート、ペン、投票用シール(複数色)

進め方

  1. Step 1

    図(https://gamestorming.com/wp-content/uploads/2011/01/howwownow1.jpg)のように2行×2列のマス目を描きます。
    X軸はアイデアの独創性、Y軸は実行のしやすさを示します。

    次に各象限にラベルを付けます。

    NOW:青色
    通常のアイデアで、簡単に実行できるもの。これらは達成しやすい目標やプロセスの既存のギャップを埋めるためのソリューションで、段階的な成果に繋がります。

    HOW:黄色
    独創的なアイデアで、実行不可能なもの。これらはインパクトのある画期的なアイデアですが、現在の技術や予算の制約の中では、今すぐに実行する事は絶対に不可能です。

    WOW:緑色
    独創的なアイデアで、簡単に実行できるもの。“すごい”アイデアとは、軌道を変えるような変化をもたらす可能性があり、現在の状況で実行可能なものです。
  2. Step 2

    クリエイティブなアイデア出しの段階で出てきたアイデアを、部屋に貼ってある大きな紙にリストアップします。

    各色(青、黄、緑)の投票用のシールを3枚ずつ参加者に配布します。
    基本的に1人あたり9枚用意しますが、時間やアイデアの数に応じて増やしたり減らしたりしてみてください。

    各カテゴリーのベストアイデアを3つ選んで投票してもらいましょう。
    参加者はベストだと思うアイデアの上にシールを貼ります。

    最後に、各アイデアの下にあるシールの数を数えて分類します。最も多いシールの色が、そのアイデアのカテゴリーとなります。(例:青色シールが1番多い場合、アイデアは青色)

    同点の場合
    青色=緑色の場合、アイデアは青色。
    黄色=緑色の場合、アイデアは緑色。
    これで、さらに取り組むべき「WOW:緑」のアイデアがたくさんできました。すぐに実行できるように「NOW:青色」と、将来を見据えて「HOW:黄色」にも注目しておきましょう。

    提供のヒント:
    事前に黄色のシールが遠くからでも見える事を確認してください。(オレンジや金を使用しても良いでしょう)もし見えない場合は別の色に交換してください。元のマトリクスでは、WOWは赤色を使用しています。
  3. *How-Wow-Now Matrix 出典元:The Center for Development of Creative Thinking (COCD). COCDマトリクスに関する情報は、Ramon Vullings、Igor Byttebier、Godelieve Spaas著の書籍「Creativity Today」に掲載されています。
    参照:Gamestorming(https://gamestorming.com/how-now-wow-matrix/

INNOVATION

高速リサーチ

このエクササイズは外部からの意見や、洞察を活用して探索・議論・創造を目的とするワークショップの質を一段と高めます。アイデアのブレインストーミングをしたり、新しい製品やサービスを開発したり、他の人を巻き込んで戦略や計画を作成する際に使用します。
参加者は同僚に電話をかけるなどしてタスクに関連する質問をし、「外部」の様々な視点から有意義な意見を得られます。
多くの場合、参加者は他者に意見を求めることがいかに簡単であるか、プロセスにとってどれほど価値があるかということに驚くでしょう。

  • 所要時間

    5〜30分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    携帯電話

進め方

  1. Step 1

    参加者(分割した場合は各チーム)に、外部の人からインサイトを収集するタスクがあることを説明します。これらのインサイトは、現在のプロセスに貢献することも説明します。
    各人に、現在数分の会話ができそうな友人や同僚、連絡先を思い浮かべてもらいましょう。

    提供のヒント:
    これは、同僚からすぐにフィードバックを得たい人にも便利なツールです。フィードバックを得たい場合は「フォーカスクエスチョン」の代わりにフィードバックを促しましょう。
  2. Step 2

    参加者が通話する際の指針となる「フォーカスクエスチョン」を選びます。これは、あなたが選んでも、参加者が選んでも良く、セッションの目的に応じて変わります。

    フォーカスクエスチョンの例
    ・戦略を作る場合
    今、私たちの業界で最も大きな課題は何ですか?

    ・新しい製品/サービスを開発する場合
    毎日の通勤で何が気になりますか? 毎日どんなアプリを使用していますか?

    ・組織文化を評価する場合
    今日、私たちの会社でうまく機能していないものは何ですか?
    私たちの会社で働くことの一番良いところは何ですか?
  3. Step 3

    参加者に先程思いついた人へ電話をし、フォーカスクエスチョンをしてもらいます。
    10分程度時間をとりましょう。

    連絡をした相手にこのエクササイズについて簡単に説明すること、通話中にはメモを取るように促しましょう。 相手が繋がらない場合は、他の人に電話をかけてもらいましょう。
  4. Step 4

    全員が通話を終えたら、全体またはチームへ戻り、それぞれのインサイトを共有します。必要に応じて、共有されたインサイトを文書化すると良いでしょう。

*テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

アイデアの林檎

このセッションの目的は、創造力やアイデア創出に役立つ3つの重要な原則である「量は質を担保する」「他の人のアイデアを参考にする」「私たちが思いつくアイデアはたいていどれも同じである」ことを体感するためのものです。
やり方はいたってシンプルです。立ったまま小さいグループを作り、リンゴを描きます。セッションの最後にグループ全体で振り返りを行い、学びや反省点を導き出します。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    カラーペンまたはマーカー、紙、フリップチャートまたは壁

進め方

  1. Step 1

    参加者を4〜6人のグループに分けます。
    グループごとに、フリップチャートに約30個の正方形のマス目を書きます。(セッションの前にこの作業をしておくと良いでしょう)
  2. Step 2

    最初に、このセッションが創造力やアイデア創出の原則を理解するための簡単なエクササイズであること、発散的な思考(https://en.wikipedia.org/wiki/Divergent_thinking)が身につき、楽しいものであることを説明しましょう。
    10〜15分間、グループごとにできるだけ多くの種類のリンゴを描きます。
  3. Step 3

    全員ペンやマーカーを持ちましょう。グループごとに違う色を使いましょう。10~15分でマス目を埋めていきます。左上のマスから順番にりんごを描いていきます。
    同じリンゴを描いてはいけません。また、喋ってもいけません。リラックスできるBGMがあると良いでしょう。
  4. Step 4

    時間切れ、もしくはすべてのマス目が埋まったら終わりです
  5. Step 5

    グループごとにこの体験について2〜3分程度話し合ってもらい、ここから得られた学びやインサイトを引き出します。
    その際、次のようなリフレクション(https://toolbox.hyperisland.com/reflection-team)をすると良いでしょう。
    ・このエクササイズをやってみてどうでしたか?
    ・このエクササイズから創造性について何を学びましたか?
    ・今後に活かせる原則などは見つかりましたか?
  6. Step 6

    最後にりんごが描かれた紙を1ヶ所に集め、参加者全員に集まってもらいます。
    Step 5と同じ質問を全体に投げかけ、答えを話し合いましょう。
    その際、「量は質を担保する」「他の人のアイデアを参考にする」「私たちが思いつくアイデアはたいてい同じである」など、グループ間の共通点に必ず触れてください。

    提供のヒント:
    必要であれば核となる学びを大きな紙に書き、壁の目立つところに貼っておくと良いでしょう。このセッションは、発散的思考の価値を体感するために有効です。
    より実践的な応用としてリンゴ以外のものを使ってみましょう。例えば、30個のロゴを描く、30個のキャッチフレーズを書く、30台の新車を描く、などです

*テキスト作成:Hyper Island Henrik Johansson, Thomas Reibke and Sarah Juhl Gregersen at www.changedesign.dk(http://www.changedesign.dk/)
A Study of the Design Process, UK Design Council, 2005(https://www.designcouncil.org.uk/sites/default/files/asset/document/ElevenLessons_Design_Council%20(2).pdf) Changing Education Paradigms, RSA Animate/ Ken Robinson, 2010(https://www.youtube.com/watch?v=zDZFcDGpL4U) Divergent Thinking, Wikipedia, N.D.(https://en.wikipedia.org/wiki/Divergent_thinking) を参照 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

未来予想図

このセッションの目的は過去・現在・未来の業界動向について、見解を持ち共有することです。参加者は昨年、今年、3年後の主要なトレンドをマッピング(対応付け、関連性を見ること)します。そしてそのマップからパターンを特定し、関連性や異なる傾向について議論します。

このセッションは、社会やテクノロジー、政治などの複雑なテーマを議論をする際に役立ちます。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    カラーペンまたはマーカー、付箋、フリップチャートまたはマスキングテープ

進め方

  1. Step 1

    セッションを始める前に、フリップチャートを貼るスペースを確保してください。壁にマスキングテープを貼って5つのセクションに分けるか、フリップチャートを5枚貼ります。各セクションの上部に太いマーカーで昨年、今年、3年後までの西暦を書きます。
    例 2019年、2020年、2021年、2022年、2023年

    これで事前準備は完了です。

    提供のヒント:
    このセッションはスピード感があり大声で行われます。大人数のグループでは、小声の方や内向的な参加者が発言できない可能性があります。ファシリテーターは発言を促し、しっかり全員が参加できるようにしましょう。

  2. Step 2

    参加者全員にペンとポストイットを配ります。
    壁が見えるように集まってもらい、このセッションの目的を説明をした後、下記のように指示を出してください。

    ここでは過去と現在から未来のビジョンをグループで共同制作していきます。
    各自、重要な影響力を持つ「要素」(トレンド、テクノロジー、政治的な動き、行動の変化など)を付箋に書いてください(付箋1枚につき1要素)。
    書き終えたらグループに聞こえるように付箋を読み上げながら壁に貼ります。
    忖度せずに付箋が配布されたらすぐ書き、どんどん貼り付けてください。
    制限時間内に壁を付箋で埋め尽くすことが目標です。
    目的は様々な「要素」を壁に貼り出すことなので、あまり深く考えすぎず行ってください。

    提供のヒント:
    テクノロジーのトレンドだけを見る、ファッション業界のトレンドだけを見るなど、特定のテーマや業界に絞ることも可能です。
  3. Step 3

    去年のセクションから始めていきましょう。各セクションを3分間で付箋で埋め、今年、来年と全ての年に、同じように実施していきます。制限時間は合計で15分間です。

    ペースを維持しながら全員が参加できるようにサポートをしてください。スピードが落ちていると感じたら関連する質問をしたり、刺激を与えるような問いかけをしましょう。
    グループの思考を刺激するために、ファシリテーター自身の疑問を投げかけてもいいでしょう。
  4. Step 4

    15分経ったら全員壁の前に集まってもらい、付箋を見て各年のパターンや共通のテーマを探してもらいます。時間に余裕があればグループに分け、10分程度で各年の傾向を整理し、主要なパターンのまとめを作成してもらいます。
  5. Step 5

      グループで振り返りと議論を行います。
    1. この時系列を見て、どんなパターンがありますか?
    2. 過去、現在、未来についてどう感じますか?
    3. 私たちチーム、会社、業界にとって何を意味しますか?そして自分自身の役割は何でしょうか?
  6. Step 6

    セッションのまとめとして、議論の中で出てきた重要なテーマをいくつか共有します。
    自分の考えをどのように捉え、将来にどう役立てたいかをグループに尋ねます。

    最後に、セッションで得た気づきや行動を1人ずつ発表してもらいましょう。

*Mikael Ahlströmによって作成されました 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

アイデア&コンセプト開発

アイデア&コンセプト開発は、創造的なアイデアを生み出すために、グループで協力的に作業するためのメソッドです。汎用的なアプローチであり、さまざまな状況に合わせて適応・カスタマイズすることができます。アイデアを生み出すための基本原則や、グループが作業するためのステップ、アイデアの選択と開発のステップも含まれています。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    なし

進め方

  1. Step 1

    参加者を4~6人のチームに分け、アイディエーションの目的を共有します。
    目的は状況によって作られます。単にアイデア出しの方法を試したり練習する場合もあれば、成果を重視した具体的な新しいアイデアを出すことが目的の場合もあります。
    いずれにせよ、導入部では目的や内容を説明するようにしましょう。

    ダブルダイヤモンドモデル(The Double Diamond Model)
    (https://www.frontiersin.org/files/Articles/55544/fnhum-07-00656-r2/image_m/fnhum-07-00656-g001.jpg)

    提供のヒント:
    下記は1回分の集中セッションとして設計していますが、ステップを拡張し、数日に渡り実施することもできます。アイデア出しやコンセプト開発を短時間で体験することが目的であれば、1回のセッションとして実施してください。実案件として新しいコンセプトを開発することが目的であれば、各ステップにもっと時間をかけて取り組んでください。
  2. Step 2

    アイディエーションの原則を紹介する
    チームに対し、効果的なアイデア出しのための原則を簡単に紹介します。これらは、アイデア出しの初期段階における創造性、発散的思考(https://en.wikipedia.org/wiki/Divergent_thinking)、アイデアの量を確保するためのシンプルなガイドラインです。

    「はい、そして… (yes! and…)」
    他の人のアイデアを「イエス!」と肯定して、そのアイデアを土台にし、自分のアイデアを加えましょう。相手に積極的に耳を傾けることで、アイデアを構築したり発展させることができます。

    量こそ正義
    第1段階ではアイデアの量をたくさん出す事が重要です。 「優れた 」アイデアを出そうとするのではなく、できるだけ多くのアイデアを書き出すことに集中してください。すべてを出し切りましょう。

    判断は後で
    出てくるアイデアを評価したり、批判したくなる気持ちを抑えましょう。まずは「何でもあり」で実施し、判断は後回しにします。

    チームが全て
    チームメンバー全員が参加することで、全員の頭脳を最大限に活用します。全員がアイデアを出せる場所を作りましょう。
  3. Step 3

    鍵となる質問
    次に、アイデアを出すための質問を共有します。チームが自分たちで質問を構築する場合もあれば、すでに取り組む質問が決まっている場合もあるかもしれません。
    「鍵となる質問」は、切実な問題やニーズに対する解決策を模索するような、オープンで明確、かつ魅力的でなければなりません。

    How might we構文(https://toolbox2.tds-g.biz/tool/how-might-we-questions/
  4. Step 4

    アイディエーションツール
    質問や疑問を明確にした上で、それらに基づいてアイデアを出し始めましょう。このステップを支援するために、アイディエーションツールをいくつか紹介します。

    連想:ランダムな単語やイメージを使って、連想しながらアイデアを出します。ランダムな単語やイメージを軸にして2分間アイデアを出します。その後、新しい単語やイメージを軸にもう1度繰り返します。

    ネガティブ・ブレインストーミング:「鍵となる質問」を否定的・ネガティブな形に変えて、それを軸にアイデアを出します。例えば、「Hyper Islandはどのようにして世界最悪のTOOL BOXを作ることができるか?」に基づいて最悪なアイデアを出した後、出てきたアイデアを反転させるとどうなるかを探ります。

    Googleならどうするか?:Google、Nike、Kickstarterのプロジェクト、国連、地方自治体、Ikeaなどになったつもりで焦点を当てる質問・疑問を探ってみましょう。

    ユーザー目線:特定のユーザーの視点から焦点を当てるべき質問を探ります。15歳の少年にとってはどうでしょうか?おばあさんにとっては? 等

    マッシュアップ:「マッシュアップアプローチ」を使って、焦点を当てるべき質問に関連するテクノロジーや物事など、さまざまな要素を組み合わせてブレインストーミングします。
  5. Step 5

    アイデアを出そう!
    チームに一定の時間を与え、紹介したツールの1つもしくは複数を使ってアイデアを出してもらいます。ある程度の構築ができるような十分な時間が必要ですが、プレッシャーを感じるくらいの短い時間で実施しても構いません。
  6. Step 6

    グループ化&絞り込み
    アイディエーション後、共通のテーマや類似したアイデアをグループ化し、整理します。
    重複したものを取り除き、それぞれのアイデアグループにタイトルをつけます。
  7. Step 7

    選択
    アイデアを整理したら、進化させるべきアイデアを1つ、もしくはいくつかを選びましょう。
    選定基準はこちらが設定しても、チーム独自の基準を作成しても構いません。
    例:アイデアは、関連性・実現可能性・ニュース性の3つの基準に基づいて選択されるべきである。

    基準が設定されている場合、「ドットモクラシー(ドット投票)」を使ったシンプルで迅速な選考方法を使用することもできます。各参加者にアイデアに割り当てるための一定数のドット(丸形シール)を配布します。民主的に投票を行い、シールの数が多いアイデアがグループ内で最も多く賛同を得ているアイデアとみなします。

  8. Step 8

    発展させよう!
    最終ステップは、上記のステップで決定した有望なアイデアをさらに発展させることです。アイデアをさらに進化させ、コンセプトや機能性、実現可能性、ビジネスモデルなどの詳細を検討します。この作業は同じセッション内で実施しても、日を改めて長時間じっくりと実施しても構いません。

*参考:このプロセスは、UKデザイン評議会が開発したデザインプロセスモデル「ダブルダイヤモンド」にヒントを得ています。 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

5why分析

このメソッドはシンプルかつパワフルに問題や課題の核心に迫るものです。タイトルが示すように、グループで問題を定義した後「なぜ」という質問を5回繰り返します。そこから得られた気付きを、問題解決のためのアイデアとして使用します。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    2〜10名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    筆記用具、紙やホワイトボードまたはフリップチャート

進め方

  1. Step 1

    グループ内で問題定義を行います。紙やホワイトボードまたはフリップチャートの1番上に、できるだけ簡潔にまとめた問題定義文を書いてください。
    こうすることでグループが1つにまとまり、特定の課題に集中することができます。
    例:「ドイツのオフィスにお金をかけすぎている。」「お客様は当社の最新製品の品質に不満を持っている。」 等
  2. Step 2

    グループに質問する
    「なぜこのような問題があるのか?」とグループに尋ね、答えについて話し合ってください。その答えを別の簡潔な問題定義文にまとめてみましょう。
  3. Step 3

    もう1度質問する
    もう1度グループと「なぜこのような問題があるのか?」を考え、答えについて再度話し合い、問題定義文にまとめます。
  4. Step 4

    問題の根本的な原因を特定できたと感じたら「なぜ」と深掘りするのを止めます。特定できるまでこのプロセスを続けましょう。

  5. Step 5

    根本的な問題が明らかになったら、それを解決するためにどのように進めたいかをグループに尋ねます。ツールボックスに掲載されている「アイデア&コンセプト開発(https://toolbox2.tds-g.biz/tool/idea-concept-development/)」を使って、問題解決の新たなアイデアを練ってみましょう。

*テキスト作成:Hyper Island 参考:Toyota Production System, Taiichi Ohno, 1988(https://books.google.co.uk/books/about/Toyota_Production_System.html?id=7_-67SshOy8C&hl=ja)、 Lean Manufacturing, Wikipedia, N.D. (https://en.wikipedia.org/wiki/Lean_manufacturing)、Six Sigma, Wikipedia, N.D.(https://en.wikipedia.org/wiki/Six_Sigma) 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

トーストの作り方

「トーストの作り方」は、ビジュアルシンキング、与件定義、行動のイメージ、システムシンキングなどのコンセプトを共有理解するための演習です。ワークショップの最初に実施することで、参加者同士の考え方を視覚的に捉えることができます。この方法を応用してビジョンを明確にしたり、キャッシュフローの改善を考えたり、大胆なチャレンジを把握するなど、楽しみながら進めることができます。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    紙、付箋 またはインデックスカード、ペン、マスキングテープ

進め方

  1. Step 1

    準備
    ペン、付箋またはインデックスカード、マスキングテープを用意します。

    テーブル、椅子、紙を貼ることができるスペースを用意します。参加者全員の描いたものを見ることができるように、十分なスペースを確保することが大切です。
    toast
  2. Step 2

    開始
    はじめに、ファシリテーターはこのワークショップの目的を参加者へ伝えます。「システムモデルを構築することに焦点を当てている」等。テーマは、ビジョンの明確化、キャッシュフローの改善、次の大胆なチャレンジの把握などです。
    まずは簡単なデザイン演習(トーストの作り方)を行います。

  3. Step 3

    実施
    演習は気負わず、カジュアルな雰囲気で行いましょう。全員にペンと紙を配り、トーストの作り方をステップごとに絵で示してもらいます。
    設定時間は2〜3分です。
    トースト作りに合うBGMを流してみるのも良いかも…

  4. Step 4

    振り返り
    各自が描いた絵をみんなに見えるように貼り出します。(楽しみながら行いましょう!)
    プロセスが単純または複雑であったり、人が描かれているものといないものがあったり、絵の違いについて話し合いましょう。

  5. Step 5

    ビデオ
    TEDのDrawToastビデオ( https://www.ted.com/talks/tom_wujec_got_a_wicked_problem_first_tell_me_how_you_make_toast)を再生し、システムシンキングについて観てください。
    ビデオを観終わったら、参加者に描いたノードの数と種類を聞いてみましょう。

  6. Step 6

    課題を描く
    グループで取り組んでいることをどのように改善するか等、課題を絵で描いてもらいます。
    自由に表現して構いません。インスピレーションを得るために「質問を描く(Draw Questions)( http://www.drawtoast.com/wps%E2%84%A2-questions.html#.YFq1ZEj7TOR)」を参照しても良いでしょう。

    例:
    戦術を改善する
    ・本質的な提供物は?
    ・どのようにして顧客を喜ばせるか?
    ・どのようにして特徴付けるのか?
    ・どこに投資するのか?
    ・存在意義は?
    ・成果測定は?

    戦略を改善する
    ・現在のビジネスプロセスのどこで価値を生み出しているのか?なぜ?その理由は?・どのようにして、すばやく変化に対応するのか?・チームの働き方をどうやって改善するか?

    この作業は個人で静かに行うよう促してください。

  7. Step 7

    共有
    参加者それぞれに描いたものを共有してもらいます。
    それぞれのどこが似ていてどこが違うのかを話し合います。
    どのようなリンクやノードが共通しているかも確認しましょう。

  8. Step 8

    統合
    時間があれば、個人で描いた絵をグループで統合し、ひとつの絵にまとめてみましょう。
    4~6人のグループで実施すると良いでしょう。

  9. Step 9

    振り返り
    作成したものを振り返る時間をとりましょう。

    実施のヒント:
    何がわかりましたか?どう感じましたか?気付いたことは何ですか?何をやめる必要がありますか?何を始める必要がありますか?いつまでに? 等


    次のステップや実施するべきことを明確にするために、
    「Who | What | When(https://toolbox2.tds-g.biz/tool/who-what-when-matrix/)」の使用を検討しましょう。

    *「Draw Toast」は、Dave Gray氏が作成したものです:https://gamestorming.com/draw-toast/

    このセッションは、Tom WujecのTEDトークを参考にしています。Tomはこのセッションをグループでの問題解決に拡張するためのアイデアをDrawToast.comに掲載しています。

  10. *日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

How Might We 構文

取り扱うテーマとインサイトを定義すること(インサイト・ステートメント)で、ユーザーの課題と領域が明確になります。
課題を解決するアイデアを創発するため、定義したインサイトを「How Might We(私たちはどのようにして〜?)」という構文に置き換えてみてください。How Might We構文を使うことで、実現可能なソリューションについて考えることができ、様々な方法で答えを見つける機会が生まれます。How Might We構文自体はソリューションではありませんが、適切な構文を作ることができれば革新的な思考の助けになります。

  • 所要時間

    30〜60分

  • 参加人数

    10〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    インサイト・ステートメント、ペン、付箋

進め方

  1. Step 1

    作成したインサイト・ステートメントまたは明確にされた課題をみてみましょう。文頭に「How Might We… (HMW…私たちはどのようにして〜?)」と付け加えて、質問文・疑問文のように言い換えてみてください。

    例:HMWへの変換例
    課題:「私たちのチームはあまりにも孤立しすぎている 」 HMW構文:「私たちはどのようにしたら、チーム同士を良く結びつけることができるだろうか?」
    と書く。

    何度かこの作業を繰り返して、様々なHMW構文を考え出してください!

    そのほかの例:
    HMW構文:「私たちはどのようにしてチームがお互いに話し合うことを促進できるだろうか?」
    HMW構文:「どのような方法でグローバルチームが世界各国にリソースを共有できるだろうか?」

  2. Step 2

    HMW構文を作成する目標は、アイデアの機会を見つけることですので、あなたの持っている気付き・学び・インサイトがHow Might Weに含まれている場合、良いHMWであると言えます。

  3. Step 3

    書き出したHMW構文を確認して、それが様々なソリューションやアイデアを導けるかどうかを自問自答してみてください。可能性を感じない場合、範囲や尺度を広げてみましょう。 HMW構文はできるだけ多くのソリューションを生み出すような、あるいはブレインストーミングを促進するものでなければなりません。

  4. Step 4

    最後に、HMW構文の幅が広すぎたり漠然としたものになっていないかを確認してください。
    難解なプロセスですが、良いHMW構文は範囲が丁度よく、ブレインストームをどこから始めれば良いかを明確にしてくれます。同時に初期アイデアを考えるための十分な余地や自由もあることが求められます。

    Video: How Might We Questions by IDEO ( https://www.youtube.com/watch?v=N0fkNvyB7ZQ)

*IDEO Design Kit より抜粋・引用 日本語訳:Hyper Island Japan Team

INNOVATION

Like | Wish | Wonder

プロジェクトの推進において、フィードバックは重要であり、イテレーティブ(反復)なプロセスには欠かせないものです。また、アイデアの実現のためには新しい可能性を見出すための学習と成長が必要です。そしてフィードバックを受け取る側と与える側の両方に、安全な環境を確保するフレームワークが求められます。
この方法は、チームが迅速にフィードバックを収集するのに役立ち、オンラインでも対面でも実施可能です。

  • 所要時間

    5〜30分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    フリップチャート用紙、ペン、付箋、オンラインの場合は、バーチャルホワイトボード(MiroやMuralなど)を使うこともできます。

進め方

  1. Step 1

    プロセス

    このフレームワークは、建設的なフィードバックを促すシンプルな設計で、少人数から100人規模まで活用できます。

    例:
    「Like(好きだったこと、良かったと思うこと):チームをペアに分けて作業をしたのが良かったです。」
    「Wish(こうだったら良かったのにと思うこと):
    ユーザーテストの前に、計画を話し合うためのミーティングをしたかったです」
    「Wonder(疑問点・仮定・仮説など):新しいチームメンバーをハッカソンでスピードアップさせたら、プロセス自体を加速させることができるのでは?」

  2. Step 2

    トピック
    フィードバックのトピックを選びます。

    例:
    ・作成したばかりのプロトタイプについて
    ・デザインワーク(デザイン、マーケティング資料、コンセプト、ワークショップのアイデアなど目的、ビジョン、戦略)
    ・ワークショップやミーティングのフィードバック
    ・お互いへのフィードバック 等

    提供のヒント:
    各参加者に十分な数の付箋を渡してください。分類しやすくするために付箋の色を分けたり、参加者それぞれが付箋に 「 Like / Wish / Wonder」とタイトルをつけても良いでしょう。
  3. Step 3

    実施:Like | Wish | Wonderを書こう
    参加人数の規模に応じて、構成をどのようにするかを決めます。
    大人数で実施する場合は6〜10人のグループに分けたり、少人数の場合は全体で行いましょう。

    各参加者に3~5分程度の時間を与え、付箋1枚につき1つの内容を記入してもらいます。
    1つの付箋に複数の内容を記入しないように気をつけましょう。

    オンラインの場合:
    グループ分けのためにブレイクアウトルームを活用しましょう。

    提供のヒント:
    書き出す際には次のようなことを念頭に置くと良いでしょう。
    顧客中心主義、創造性、明快さ、実現の可能性、拡張性 等

  4. Step 4

    付箋を分類する

    それぞれの参加者に付箋の内容を把握する時間を約1分与えてください。

    1人1人に発言してもらい、フリップチャートやバーチャルホワイトボード内で付箋を分類し、適切な見出しを付けましょう。

    オンラインの場合:
    6人程度のブレイクアウトルームでバーチャルホワイトボードを使って作業するか、全体の参加者数が少ない場合は、1つのバーチャルホワイトボードを使って行いましょう。
    付箋の内容について発言する時は「私は〜」と一人称で行いましょう。自分自身の視点であるということを明確にし、相手に責任を負わせない効果があります。

    このシンプルなフレームワークは、オープンなフィードバックを促進します。
    「Like」は、うまくいったことや、アイデアについて肯定的なことの出発点です。
    「Wish」は、何が違っていたのか、何が改善されたのかを考える出発点となります。
    「Wonder」は、まだ答えの出ていない質問やアイデアの出発点となります。
    また、「Wonder」は、「What If(もし~だったらどうなるだろうか)」と言い換えられます。

  5. Step 5

    ヒント

    フィードバックを受けた人は、受け取るだけにしましょう。相手と協議したり、言い訳をしてはいけません。
    フィードバックをくれた相手には、単純に「ありがとう」と感謝を伝えてください。
    印象に残った言葉やフレーズをメモしておくと、次のアイデアに繋がるかもしれません。

  6. Step 6

    フィードバックを統合する

    ・改善すべき点は?
    ・うまくいった点は?
    ・次のステップは何か?

    次のステップや実施するべきことを明確にするために、
    「Who | What | When( https://toolbox2.tds-g.biz/tool/who-what-when-matrix/)」マトリクスの使用を検討しましょう。

*Stanford University, D.School I Like, I Wish, What If から引用。 日本語訳:Hyper Island Japan Team