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厄介な参加者

気難しかったり、扱いに困るような参加者がいた場合、どのように対処するべきでしょうか? このテクニックはインタラクティブなセッションを阻害する参加者への対応方法のヒントです。 ミーティングを牽引しながら、厄介な参加者に対応するのは、負担に感じることがあるかもしれませんが、ファシリテーター、トレーナー、教師、コーチなど、対話型のセッションを実施するすべての人にとって、実践的で役立つテクニックです。

  • 所要時間

    5〜30分

  • 参加人数

    2〜10名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    ・「厄介な参加者」用の封筒4枚。ステップの最後にあるリストから、参加者のカテゴリーを4つ選びます。封筒の表側に、それぞれのカテゴリーを記入します。 ・ガイドラインカード:各チームに3枚の白紙またはインデックスカード ・ストップウォッチまたはタイマー

進め方

  1. 概要

    参加者はチームに分かれて、厄介な行動に対するガイドラインについてブレーンストーミングし、そのガイドラインをカードに記録し、カードを封筒の中に入れます。
    チームは封筒を交換し、他のタイプの厄介な行動に対処するためのガイドラインカードを作成します。評価ラウンドでは、他のチームが作成したガイドラインカードを確認し、上位5つのガイドラインを決定します。

    目標
    インタラクティブな演習に参加している人々を、様々なタイプの妨害行為から守ること。


    Step 1

    参加者への説明
    参加者に、自分が過去に行った、あるいは参加したワークショップやセッションを思い出してもらう。次に活動を妨害する様々なタイプの参加者を思い出してもらう。さらに様々なタイプの混乱を起こした参加者に対処する方法について、ブレインストーミングを行うことを伝えます。

  2. Step 2

    参加者の編成
    参加者を7人以下の4チームに分けます。各チームの人数がほぼ同じになるように調整してください。 封筒を交換しやすいように、各チームを円状に配置すると良いでしょう。

  3. Step 3

    備品を配布する
    各チームに「厄介な参加者用の封筒」を1枚ずつ渡します。また、各チームに3枚の白紙またはインデックスカードを渡します。

  4. Step 4

    第1ラウンドの実施
    参加者に、封筒の表に記載されている厄介な参加者のカテゴリーに関連する行動にどのように対処するべきか、ガイドラインを考えてもらいます。これらのガイドラインを短い文章にして、紙やインデックスカードに書くように伝えましょう。制限時間は3分であることを伝え、チームが迅速に作業するように促します。作成したガイドラインカードは後ほど、数と質の両方の観点から、評価されることを説明しましょう。

  5. Step 5

    第1ラウンドを終了する
    3分経過後、終了を告げます。各チームは、ガイドラインカード(厄介な参加者への対処法が書かれた紙)を封筒の中に入れ、封を切らずに次のチームへ渡すように説明します。受け取った封筒は、まだ開けないように伝えます。

  6. Step 6

    第2ラウンドの実施
    受け取った封筒の表に記載されている厄介な参加者のカテゴリーについて考えるように指示します。ただし、中に入っているガイドラインカードは見ないように伝えます。前の手順を繰り返し、このカテゴリーの参加者への対処法を(新しいガイドラインカードに)作成するように伝えます。
    3分後に終了し、ガイドラインカードを封筒の中に入れて次のチームに渡すように指示します。

  7. Step 7

    第3ラウンドの実施
    同じ手順で、もう1ラウンド実施します。

  8. Step 8

    評価ラウンドの実施
    封筒の中のガイドラインカードを評価します。チームはガイドラインカードをすべて確認し、比較していきます。そして3分以内に、全カードから上位5つのガイドラインを選びます。

  9. Step 9

    結果発表
    各チームごとに封筒の表に記載されている厄介な参加者のカテゴリーと選択したガイドラインの上位5つを発表してもらいましょう。また、どのような基準で選んだのかを説明してもらいます。

  10. Step 10

    議論
    全てのチームが発表した後、ガイドラインのパターン等について、短いディスカッションを行います。異なるタイプの厄介な参加者への対処法に共通点はありますか?適切なガイドラインを考えるのが最も難しいのは、どのカテゴリーの厄介な参加者でしょうか?

    提供のヒント:
    時間の調整
    全体の時間が足りない場合は、各ラウンドの時間を2分とするなど、調整を行ってください。
    ガイドラインを作成するラウンドの回数を減らしたり、評価ラウンド自体をなくしても構いません。


    参加者が少ない場合
    チームではなく、個人で実施しましょう。3人の参加者がいれば実施できます。
    その場合、2種類の封筒を作成して、2回ラウンドを行います。

    厄介な参加者のカテゴリー
    (以下のリストから4つを選び、それぞれのカテゴリーを封筒の表側に記入してください。)

    ・威圧的で発言の多い参加者。
    ・口数が少なく、消極的な参加者。
    ・注意散漫で多動的な参加者。
    ・自分がすべてを知っているかのように振る舞う、斜に構えた参加者。
    ・事前準備不足の参加者。
    ・対話や議論を時間の無駄と考えるせっかちな参加者。
    ・脇道にそれてしまう参加者。
    ・遅刻や早退をするスケジュール無視の参加者。
    ・常に注目を浴びようとする目立ちたがりな参加者。
    ・メールをチェックしたり、メッセージを送信したりするマルチタスクな参加者。
    ・主体性が無く、セッションへの参加を強制されたお客様のような態度の参加者。
    ・ファシリテーターや他の参加者に反発したり楯突く参加者。
    ・侮辱、軽蔑、無礼な発言をする無神経な参加者。
    この他にも関連するアイデアを追加して、カテゴリーをカスタマイズしてみましょう。