TEAM
デザインスプリントの活用
このワークショップはGoogleのデザインスプリントからインスピレーションを得ています。チームで新しいアイデアのプロトタイプを作り、素早く具体化してテストできるように構造化したものです。このワークショップを通じて、新しいコンセプトを素早くアイデアに落とし込み、プロトタイプを制作し、試し、チームで創造的かつ迅速に作業する練習をします。対面でもオンラインでも実施可能です。
- 所要時間
120〜240分
- 参加人数
2〜10名
- 提供レベル
中
- 心理的安全性
ミドルゾーン
- 用意するもの
ホワイトボード、ペン、 付箋、 壁、テープ、プロトタイピングツール
進め方
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Step 1
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どのような課題や問題を解決したいのかを明確に理解した上で開始してください。
このラピッドプロトタイピングは、Googleの優れたスプリントブック(http://www.gv.com/sprint/)を応用したものです。
この優れたプロセスを設計したJake KnappとGoogle Ventures のチームに感謝します。 各セクションについてさらに詳しく知りたい場合は、書籍を購入する事をお勧めします。
スプリントを全て実施するには5日間かかるため、もう少し柔軟性を持たせるためにこのワークショップを作成しました。
全部で7つのセクションがあり、それぞれに時間が割り当てられています。このスプリントを実行する時間に関わらず(4時間でも4日でも)、下記のパーセンテージに従って時間を割り当ててください。
マップ – 10%
ターゲット – 10%
スケッチ – 20%
決定 – 10%
絵コンテ – 10%
プロトタイプ – 20%
テスト – 20%
このプロセスを凝縮する場合でも、少なくとも半日は確保する事をお勧めします。
静かで柔軟でいられるスペースを確保し、チームがプロセスに専念できるようにしてください。
チームで計画を立てる前に、プロセス全体を理解しておく事をお勧めします。手順が多いため、準備しておくと良いでしょう。
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どのような課題や問題を解決したいのかを明確に理解した上で開始してください。
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Step 2
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セクション1:マップ
取り組んでいる課題や変更したい事を視覚的に表現するマップです。特定のユーザーエクスペリエンスや製品、サービス等です。
壁やホワイトボード、オンラインの場合はバーチャルホワイトボードに、明確かつ大きく書き出します。
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まず概要を書き、目標を設定します。
- 取り組む課題は何ですか?
- スプリントから何を得たいですか?
- 何をプロトタイプにしたいと考えていますか?
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次に、一連のスプリントの質問を作成し、概要と目標の詳細を追加します。
- メインとなる課題の中で探ろうとしている要素は何ですか?
- 何を知りたいですか?
- さらに深く理解し、掘り下げたい事は何ですか?
提供のヒント:
オンラインの場合は、参加者がすぐに使えるように、デジタル付箋や矢印のコレクション等を事前に作成しておくと良いでしょう。
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セクション1:マップ
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Step 3
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セクション2:ターゲット
- 私たちはソーシャルメディア上で、もっと人々を惹きつけるにはどうすれば良いでしょうか?
- 私たちはサービス改善のために新しいテクノロジーをどのように使用したら良いでしょうか?
- 私たちはどうすれば目的に忠実であり続ける事ができるでしょうか?
最大5人の専門家に課題について話し、そこから得たインサイトを書き留めます。 色々な視点が得られるよう、様々な人材を確保してください。
各専門家と約30分時間をとります。最初の10〜15分で自分の考えに対する意見を述べてもらい、次の10~15分で質問をします。
質問する際は下記のように”How might we…?(私たちはどのようにして〜?)” という形式にし、1枚の付箋に1つずつインサイトを書いてください。
オンラインの場合
バーチャルホワイトボード上にセクションを作り、質問事項を出したあとにグループ化します。
オープンに協議して、プロトタイプでフォーカスするポイントを決定します。グループ化した質問とこれまでの作業を加味して決定してください。
最終的に、プロトタイプにするのは課題の全体か、一部の領域かを選択する事になるかもしれません。このセクションの最後に、何を作るか正確に理解している状態にしましょう。
提供のヒント:
5人の専門家と直接話す時間がない場合は、メールやビデオ、専門家の記事を通じて意見やインサイトを得る事も可能です。
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Step 4
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セクション3:スケッチ
課題に対する解決策を見つけるために個別に取り組みます。
まずは、すでに成功している他の製品やサービスの例を2~3つ共有する事から始めます。検索画面やスマホを使って共有し、壁またはバーチャルホワイトボードに事例を書き留めます。
次に、各自で解決策をスケッチします。全員紙とペンを持ち、部屋の中を歩き回りながら、これまでに捉えたものを全て見て、思いついた事をメモしてください。
オンラインの場合
これまでに収集したものに目を通し、思いついた事をメモします。
次に、解決策を描き始めます。1人あたり最低8つの解決策を考え出すようにし、できる限り詳細も記入してください。
最後に、解決策を1つ選び、更に詳細なバージョンをスケッチします。説明がなくても分かるようにできるだけ明確にしましょう。
次のセクションで使用するので、スケッチは全て壁に貼り付けておきましょう。
オンラインの場合
写真を撮り、バーチャルホワイトボードにスケッチを投稿します。
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セクション3:スケッチ
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Step 5
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セクション4・5:決定・絵コンテ
いよいよ、今後の方向性を決定するときです。壁に貼ってある全ての解決策を見てみましょう。コメントを記入したり、質問が必要なときは付箋やバーチャル付箋を下に貼ります。
各メンバーに解決策を説明する時間を数分間与え、残りのメンバーには質問や説明をする時間を与えます。
投票主義(https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/dotmocracy/)を参考にして、解決策を1つか2つ決定します。
次に、グループで選んだ解決策を「集めて」、ストーリーボードに変換してください。A4の紙を10~15枚壁に貼り付けます。これがストーリーボードのスライドになります。
オンラインの場合
バーチャルホワイトボードに10~15枚の枠を作ります。
必要なだけ時間をかけて、ストーリーボードに解決策をより詳細に書きます。全員が同じ認識を持つための良い機会となり、アイデアが深まり、内容が豊かなものに発展していきます。
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セクション4・5:決定・絵コンテ
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Step 6
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セクション6:プロトタイプ
さてプロトタイプの時間です!ストーリーボードを作成した解決策のプロトタイプを作っていきます。
役立ちそうなプロトタイピングツールを使用してください。PopApp(https://popapp.in/)やMarvel(https://marvelapp.com/)等のツールも検討してください。
プロトタイプには1時間〜1日を費やす事ができます。適切にチーム分けをし、全員のスキルを最大限に活用してください。
オンラインの場合
ブレイクアウト ルームを使用してチームを分けます。
このセクションの終わりには、解決策アイデアが体験できるような、人に見せられるものができているはずです。
Webアプリケーションの場合は、クリック可能なプロトタイプを作成しましょう。対面サービスの場合は、スペースのレイアウトをデザインしても良いでしょう。教育体験の場合は、セッションの草案を1つ考える等。
最終段階の前に必ずプロトタイプの事前テストをしてください。
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セクション6:プロトタイプ
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Step 7
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セクション7:テスト
最後のセクションは、プロトタイプのテストです。社内外で、意欲的な人たち複数名に、被験者になってもらいます。
各被験者と約20分間、質問したり、メモを取ったり、プロトタイプをデモンストレーションしたりできるテスト部屋を用意します。
テストの時間を最大限に活用できるよう、オープンで関連性の高い質問をするようにしてください。質問事項はチームで設計し、最も適した人にインタビューの役割を割り当てます。
全てのインタビューを実施した後、他のチームと一緒にメモを照合します。次のイテレーションでプロトタイプをより良いものにするため、また解決策を改善するために役立つパターンやインサイトを探します。
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セクション7:テスト
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Step 8
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このプロトタイピングスプリントのまとめとして、チーム全員でプロセス全体を振り返ってみましょう。次のような質問をして、その答えについて話し合ってください。
- 全体を通してどうでしたか?
- 自分たちの課題をどの程度解決できましたか?
- この仕事で次に何ができますか?
- チームとしてどのように協力できましたか?
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このプロトタイピングスプリントのまとめとして、チーム全員でプロセス全体を振り返ってみましょう。次のような質問をして、その答えについて話し合ってください。
*参照:Google Ventures Sprint(http://www.gv.com/sprint/)テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team