INNOVATION

ワールド・カフェ

ワールド・カフェは、ファニータ・ブラウンが考案したシンプルかつパワフルな手法です。参加者にとって関連性のある重要なトピックを中心に、有意義な会話を可能にします。ファシリテーターはカフェスタイルの空間を作り、簡単なガイドラインを示します。参加者は、会話に関連するトピックや質問を自分たちで考え、探っていきます。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    10〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    セーフゾーン

  • 用意するもの

    フリップチャート、ペン

進め方

  1. Step 1

    セッティング
    カフェをイメージしたカジュアルで居心地の良い環境を作ります(例:小さな丸テーブルに紙を敷き、カラーペンや植物、花を置く。オプションで発言者が使用するマイクを用意するなど)。テーブルには4〜6脚の椅子を用意します。
  2. Step 2

    はじめの挨拶と紹介
    まず、はじめの挨拶とワールド・カフェの紹介をします。背景となる文脈を説明した後、ガイドラインを共有し、参加者を安心させましょう。詳しい背景や参加者のガイドラインについては、ワールド・カフェのウェブサイトを参照してください。
  3. Step 3

    質問
    各ラウンドでは、そのセッションの背景や目的に合わせた質問が用意されています。 1つの質問を全テーブルで議論したり、各テーブル毎に異なる質問を議論する事もできます。また、同じ質問を複数ラウンド使用する事も、質問を重ねる事で会話の焦点や方向性を定める事もできます。

    質問は参加者自身が設定し、セッションが始まる前に作成します。
    説得力があり、オープンでエネルギーに満ちていて、その場の状況に合った内容でなければなりません。
  4. Step 4

    小グループでのラウンド
    ここでは、各テーブルで20分程度の会話ラウンドを3回以上行います。ラウンド中、参加者は、質問に焦点をあて自由な方法で探求します。 指定された「テーブルホスト」は、誘導せずに会話の流れをサポートします。「記録係」は言葉や絵を使って、大きな紙に会話の内容を記録しましょう。

    20分ラウンドが終了するごとに、参加者は新しいテーブルに移動します。各テーブルには、次のラウンドの「テーブルホスト」として1人が残ります。
    次のグループを歓迎し、前のラウンドで何が起こったかを簡単に説明しましょう。
  5. Step 5

    結果発表
    小グループでのラウンド終了後(必要に応じてラウンドの合間でも可)、会話から得られたインサイトやその他の結果を全体に共有しましょう。

    その他のリソースやガイドラインについては、ワールドカフェのウェブサイト(http://www.theworldcafe.com/)をご覧ください。

*参照:World Café Community Foundation(http://www.theworldcafe.com/) 日本語訳:Hyper Island Japan Team

SELF-LEADERSHIP

アクティブリスニング

この演習は、ピア・コーチングの原則を使用して参加者が質問を振り返り、問題解決に辿り着くことを目的としています。 ここでは、アクティブリスニングの入門編として紹介していますが、既にアクティブリスニングを理解している方にもお使いいただけます。 参加者は3人1組になり、「話し手(サブジェクト)」「聞き手(アクティブリスナー)」「観察者(オブザーバー)」の役割を交代で実施します。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    フリップチャート、ペン

進め方

  1. Step 1

    アクティブリスニングとは何かを以下のように説明します。
    ・議論する時、私たちは他の人の意見や複数の問題に同時に目がいってしまい、注意点や焦点がぶれてしまう傾向があります。
    ・話を聞く時に全力で聞くのではなく、「次に何を言うか」を考えてしまう傾向があります。
    ・アクティブリスニングは、疑問や問題を深堀りするための効果的な方法の1つです。
    ・この演習ではアクティブリスニングを実施していきます。

    また必要に応じて、「良いアクティブリスニングとは?」を参加者に議論・発言してもらい、リスト化するのも良いでしょう。自発的に答えてもらうように促しながら、フリップチャートに書き込んでいきましょう。
  2. Step 2

    フリップチャートを作成して、演習中のそれぞれの役割を説明してください。

    話し手(サブジェクト):話し手の役割は、自分の視点で質問や問題を深堀りすることです。
    自分自身に焦点を合わせ、自分の内省(リフレクション)したことが聞き手に導かれながら自然と語れるように心がけましょう。

    聞き手(アクティブリスナー):聞き手の役割は、集中して話を聞くことです。全身で聞き、好奇心を持ち、観察し、オープン・クエスチョン(自由解答ができる質問)を問いかけて話し手を支援します。発言内容を言い換えてみたりして、話し手を導きます。内省をサポートするために質問をして、決してアドバイスをしないでください。全身全霊で聞くことに集中してください。

    観察者(オブザーバー):観察者の役割は、発言することなくやりとりを観察することです。外部の視点から観察を行い、話し手と聞き手が気付かないこと・気付きにくいことを見つける役割です。やりとりの間は沈黙を守ってください。見たり聞いたりしたことをメモしましょう。話し手が話すのを終えたら、観察した結果を共有します。
  3. Step 3

    話し手が考えを深堀りできるような質問や問題を設定してください。
    参加者全体に共通の質問をしてもよいですし(例:「仕事における変化の最大の障壁は何か?それを克服するにはどうすればよいか?」等)、話し手が自分で質問や問題を決めてもよいです。(例:「現在苦労している職場でのチャレンジ・障壁はなんですか?」)
    深堀りすることが大切であるということを全参加者が理解しているか、必ず確認してください。

  4. Step 4

    参加者に3人1組のグループに分かれてもらいます。必ず全員が全ての役割を順番に行わなければならないことを伝えてください。各役割が20分間で実施できるように、合計で1時間程度をグループに設定しましょう。時間に注意しながら、3つの役割が平等に実施されるようにしてください。

  5. Step 5

    参加者がそれぞれの役割を終えたら全体へ質問を投げかけ、演習の報告をしてもらいましょう:
    – 演習中に何が起きましたか?
    – 観察者になってみてどう感じましたか?
    – 話し手になってみてどう感じましたか?
    – 聞き手になってみてどう感じましたか?
    – 自分自身について何を学びましたか?
    – この演習からの学びをどのように活用できますか?

*日本語訳:Hyper Island Japan Team