TEAM

チームの目的と文化

チームが目的(存在する理由)と文化(その目的を達成するためにどう協力するか)を定義するために設計されたプロセスです。この2つの要素を定義することでより集中し、チームの方向性が定まります。他の企業から具体的なヒントを授かり、個人としてもグループとしても働き方、共同作業の方法を体系化できます。このセッションのゴールは、チームにおける目的と文化の両方を視覚的に表現する事です。

  • 所要時間

    60〜240分

  • 参加人数

    2〜10名

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    スクリーンまたはプロジェクター、付箋またはバーチャル付箋、ペン、ホワイトボードまたはバーチャルホワイトボードまたはフリップチャート、 白A4用紙

進め方

  1. Step 1

    このツールは、目的文化の2つのパートに分かれていて、どちらもチームにとって欠かせない要素です。チームにおける共通の目的や文化的規則をゼロから作ったり、既存のものを再活性化するために活用できます。

    目的とはチームが存在する理由です。なぜ結成されたのか、なぜ組織の中で必要とされているのか。

    文化とはチームがどのように一緒に働くかという事です。どのように仕事を成し遂げるか。期待される価値観、規範、行動の事です。

    セッションを始める前に、以下の質問を振り返ってもらいます。
    チームとしての仕事は何だろうか?
    自分たちの目標は?仕事における完了の定義とは?
    自分たちは会社や世の中にどんな利益をもたらしているのだろうか?

    ヒント:最初に始まりと終わりの質問(https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/check-in-check-out-questions/)を実施してください。
  2. Step 2

    このステップでは、皆の知恵を活かしてチームの目的をどのように定義するか、大まかなアイデアを作っていきます。

    まず、他社企業の目的をいくつか挙げてチーム全員に見えるようにします。下記に例を挙げますが、別の例を持ち込んでも構いません。

    Patagonia:環境保護への行動、環境方針。最高の製品を作り、不必要な害を与えずにビジネスを通じて環境危機への意識、解決を激励し、解決策を実行する。

    Amazon:地球上で最も顧客を大切にする企業。顧客がオンラインで買いたいと思うものに出会い、発見する事ができる場所。

    Greenpeace:地球が多様な生命を育めるようにする事。

    Facebook:人々に共有する力を与え、世界をよりオープンで繋がりのあるものにする。

    Google:世界中の情報を整理し、普遍的にアクセス可能で有用なものにする。

    次に、自分たちのチームの目的についてそれぞれ書いてもらいます。
  3. Step 3

    このステップでは、個々が書いた目的を組み合わせてチーム全体の目的を作ります。

    複数の意見をまとめる事は難しいので、このステップは少し忍耐が必要かもしれませんが、ここではルールを与えます。

    グループの意思決定には、20×20の法則を使います。20分以内に、20文字以内でチームの目的をまとめましょう。

    言葉は重要です。様々な表現をしたり、言葉を使う事に抵抗を感じたり恥ずかしがったりしないで、書き出しましょう。

    10分、5分、2分と残りの時間を必ず伝えてください。大抵、終了時間前に全体の目的が決まります。そうすると、部屋の雰囲気が変わるのを感じるはずです。もし感じたら、カウントを止めてステップ4に進んでください。

    完成したらお祝いする時間をとりましょう。
  4. Step 4

    目的が完成したら、文化についても同じ事をしていきます。

    文化とは、チームがどのように協力し合うかという事です。言葉で定義するのは難しいですが、感じたり体験することはできます。文化は、会話や仕事の割り当てと完了の仕方、社長の清掃員への接し方などで表現されます。

    まず、企業文化の例を1つ以上共有しましょう。明確に定義された優れた例として有名なNetflix Culture(https://jobs.netflix.com/culture)の記事を見る事をお勧めします。

    各々、作業できるスペースを確保しましょう。(オンラインの場合は、デジタルホワイトボードに作業スペースを作成する)


    準備ができたら、自分たちのチーム文化で最高な部分を象徴する言葉を書いてもらいます。これは実際のものでも、志のようなものでも構いません。付箋やバーチャル付箋1枚につき、1つの言葉を書きます。


    5~10分経ったら、全ての付箋を見えるように貼り出します。(重ねないようにしてください)次に、1分間で付箋を半分はがします。残しておきたいものだけを残してください。

    もう1度同じ事を繰り返し、3つに絞ってもらいます。 これらはチーム文化に最も重要な3つの要素です。
  5. Step 5

    全員が確認できるような場所に付箋を並べ、意味や感覚が似ている言葉をまとめるように指示します。このステップでは議論が発生する事が多いので、話が逸れている場合はファシリテーターとして決断に導いてください。

    まとめ終わったら、チームにとって何か足りないものがないか聞いてみましょう。もし含まれるべきだと思う文化的要素が外されていたら、見落とさずに含めてください。
  6. Step 6

    これでチーム文化のドラフトができました。これらの言葉や声明は実現・実行しないと意味がありません、 それぞれの言葉の背景にある、望ましい行動と妨げになる行動を定義し、説明します。

    例:
    透明性
    私たちは誰もがアクセスできる共有資料を使用し、誰もが参加できるオープンなチャンネルで会話をしながら、オープンに仕事を進めています。
    秘密主義でもなければ、陰口も言わないし、孤立して仕事をする事もありません。

    このステップは共同で行う事もできますし、各自に割り当てて書いてもらい、その定義についてグループから同意を得る事もできます。
  7. Step 7

    おめでとうございます!目的と文化が明確になりましたね。
    チームの皆が目につく場所に貼るなど、創造力を働かせて実践できるようにしましょう。
    この作業は四半期ごとに(もしくは毎月)見直します。チームの変化に合わせて変化する「生きた文書」と考えてください。

    ヒント:チームキャンバス(https://miro.com/miroverse/the-team-canvas-hyperisland/)を活用して、目的と文化を見直しを検討してください。

    提供のヒント:
    遠隔のチームであっても、目的と文化は目に見える形にする必要があります。あなたの仕事の進め方に合った方法で行ってください。

*テキスト作成:Hyper Island 日本語訳:Hyper Island Japan Team